アオハル紙飛行機
ビク、と突如突きつけられた核心に肩を上げながらも苦笑いを零して彼に親指を突き立てる。
「ある。158%の確率で結ばれる」
『へえ。知り合いなの?』
青井は私を見下ろし、淡々と表情を変えることなく首を傾げた。それに代わって私は突き立てた親指をしまって、唇を突き出す。
「・・・全然」
『え?ああ、同じ中学出身とか?』
「全然違う」
『・・・喋ったことは?』
「・・・ない」
『ああ。-158%の勝算ってことね。つまり惨敗ね』
ふはっ、とここにきて初めて彼が吹き出すように笑った。
口元を手で覆って三日月型に細まる瞳は長い睫毛に影を落とされて、柔らかそうに笑う度深くなる。
「違う。ここからここから!っていうか、青井が好きな子は誰なの?」
ふう、と笑いが収まった彼は私の言葉に、横目で私を見ると片方の唇の端を持ち上げて皮肉そうに微笑む。
『・・・言ったら笑い飛ばされる。』
「笑い飛ばさないよ。」
『ははっ、聞いてもいないのによく断言できるね。』
「笑い飛ばさない!」
私の声にからかいを含んだ声色は消え、青井はゆらりと私に顔を向け、試すように、じっと、ただじっと、だるそうに、私を見つめる。