アオハル紙飛行機






再び4人で歩いて鶴岡八幡宮に着いた途端、おみくじを引きにいく私とアオ。そんな私たちに情けない視線を送りながら参拝しにいく夏子と故原くん。





「故原くんってもっとこう、常識ないのかと思ったら意外とあるよね」

『ハル超失礼。拓人めちゃくちゃ礼儀正しいかんな。アウトなのは見た目だけだから』

「見た目で120%損してる」






2人でおみくじを買って、一緒に開く。清く正しい神宮でうるさいのは私達だけだ。





『・・・出ちゃったよ凶』

「私なんて小吉だよ」

『いやいや凶と小吉って明らかに凶のが悪いじゃんもうやだあああ100円返してぇええ』

「大吉しか出ないと思ってたのに」

『それはおみくじの意味ない』





屍になる私とアオ。お参りをして入れ違いでおみくじを引いている故原くんと夏子の元に行けば、奴らは2人して大吉である。


そこで器の小さいアオと私が爆発する。もうただの八つ当たりである。





『あ、それね、大吉出ちゃったら後は下るだけだから』

「私達なんて後は上がるだけですけど」

『所詮あれだから、人生を大吉かどうか決めるのは自分自身だから。そういうことだから。大吉出たからって自惚れんなよ』

「大切なのはおみくじ引いた後だから。そういうことだから」






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