アオハル紙飛行機






アオはぷいっと私から視線を逸らす。ぶどう飴で膨らむ頬を私の方に見せながら、私の手を取りさっさと歩き出す。その頬が俄に赤く染まっているのは、怒ったからなのか。




その後も鎌倉をふらふらして、遅めのランチを目的に江ノ島に行って、写真を撮り、ふざけ過ぎた私とアオは見知らぬ大型犬に追いかけられて2人してすっ転んだ。






『修学旅行でちゃんと絆創膏使ったの初めて。しかもこんな本格的に』

『「ごめんなさい』」





鞄の中に小さな救急箱を持ち合わせているさすが女子な夏子に小さな子供のように手当をしてもらう私とアオ。



見たかった夕焼けも見ることが出来て、4人で写真も沢山撮れたので最後はホテルに戻るルートとなる。



空いた電車に乗り込み、4人で横に並んで座る。4人ともそれなりにはしゃぎ疲れて心地好く揺られる電車に目を閉じる。



くすくす、と前から女子高生の楽しそうな笑い声が聞こえてきて、その視線を辿る。一番隅に座るアオとその隣の故原くんが2人で頭をくっつけて眠っている。



とても可愛くて、騒ぎたくなる気持ちに共感しながら残り少ない充電のスマホで2人を写真に収め私は再び目を閉じた。





『青海、青海、乗り換えだから降りるよ』

「ん?あ、はーい・・・、」




とんとん、と優しく肩を叩かれ目を覚ます。隣の夏子も少し眠そうにしながら、スマホで電車の時間を確認している。


降りる駅に着き、さっさと降りて歩く。先頭の私はエスカレーターに乗ったところで振り返る。







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