アオハル紙飛行機




《どこにいるの!?青井くんと連絡取れたから。今すぐ戻ってきて!》




アオに連絡しようとスマホを開けば、夏子からLINEがきていて慌てて打ち込もうとするが、なかなか指が震えて上手く操作できない。



物凄い動悸。自分でも怖くなるほど大きなその音に更に焦燥感が掻き立てられて苦しくなる。



と。その時、もたれかかるようにしていた扉が開いて倒れそうになるのをなんとか堪える。苦しさの中で外の空気を吸い込むために視線を上げた先。






「────アオ!!!!!」





反対側の電車を気だるげに待つ、その後ろ姿に叫ぶ。アオが振り返り、その顔を見た瞬間、身体が勝手に動き出して、電車を降りていた。



一直線にその元に行こうとすれば階段から降りてきた人にぶつかって勢いよく倒れた私の身体。



ぶつかった相手は慌てていたのかそのまま私が乗っていた電車に乗り込んだ。





『ハル!大丈夫かよ』





立ち上がろうとした時、優しくて暖かい手に肩を掴まれる。顔を上げた先に慌てたように不安気な顔をするアオ。





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