アオハル紙飛行機







アオを間近に感じて、どっと安心感が溢れ出す。縮みそうになっていた寿命の開放感からぶわっと視界が一気に涙で滲む。




「大丈夫なわけあるかッぶぁあわーっ・・・おえっ、」

『うわっ、吐くなよ吐くなよ吐くなよ』




安心感と怒りと心配と、焦燥感と不安と唯ならぬ心音とを一気に味わう。




「・・・気持ち悪い」




涙が溢れ出すと共に無理矢理お腹に詰め込んだクレープやらソーセージやらコロッケやらぶどう飴やらランチやらデザートも溢れだしそうになる。




『取り敢えずベンチ座ろう』




アオに連れられて駅のベンチに座る。アオが買ってきてくれた水を受け取ると同時に力の入らないパンチをアオの腕に炸裂させる。





「・・・水ありがとうふっざけんなてめえ心配させやがってぶっつぶすぞクソボケ」

『うわあ、ごめんって。マジで二度寝しちゃって、気づいたら寝過ごしてたんだって。ごめんなさい』

「生きてて良かった」

『乗り過ごしで死ぬってどゆこと。なんの壁突き破るの』





くすくす、と静かに笑うアオに腹が立つ。こっちはこんなに涙が出るほどお前のこと心配してたのに当の本人はそんなことも知らずに笑ってんじゃねーよと八つ当たりが入る。安心できたからこその怒りだ。






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