アオハル紙飛行機









『どうする』

「はひっ!?な、なななにがっ!」

『いや、さすがに公園で一夜は無理』

「一夜とか言うな馬鹿かクズ!」





私の必死な空回りの反論に、隣で私を無表情で見つめていたアオはいきなり鼻で笑う。馬鹿にされてる。確実に馬鹿にされてる。





『悪いけど俺、ゴリラと一夜過ごしても何も思わないから』

「誰がゴリラだもやし!」

『もやし?今俺のこともやしって言った?殴っていいもやしの本気見せていい?』

「自分でもやしって言っちゃったじゃん」

『あ、』





一気にアオワールドに引き込まれて一瞬でも気にした自分が馬鹿馬鹿しくなる。そうだ、相手はアオだ。いつも部室だって2人だし、あんなに長く一緒にいて、何も無かったくらいな私達だ。何を今更。






「24時間営業のファミレスとか?」

『いいんだけど、ハル充電切れだし、俺のも危ないし。モバイルバッテリーは拓人に貸しちゃってないし』

「連絡取れなくなるね。充電できるところって、どこ?」

『んー、ネットカフェとかだと安いけど会員証とかで万が一バレたらアウトだし』

「ごめん私狭いところ無理」

『泊まって充電できるところか。んー・・・、』





電車に乗りながら、2人で考え込む。アオのスマホの充電も残り僅かなのでさっさと決めなければなかなか危ない。






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