アオハル紙飛行機







ふかふかなベッドに眠気が猛スピードで訪れる。暇つぶしにベッド横の無駄に多い照明をいじる。




一番右のスイッチをくるりと回してオフにした途端お風呂場からアオの声が思いっきり飛んでくる。






『風呂場の電気消すなぶぁゎあーか!』

「あ、ごめんごめん」





どうやらお風呂場の電気だったらしく、慌てて付ける。が、好奇心とは本当に厄介なもので時々不意に風呂場の電気をわざと消してはアオから飛んでくる怒号に笑った。



ベッドの上でだらだらしながら証明器具の反対側のベッドの上に置かれていたティッシュに手を伸ばす。その時、ぱた、とティッシュの上に置かれていたそれが机の上に落下して手に取り首を傾げる。




それが噂のアレだということに気づいて、初めて見るものにぶわあっと身体中が熱くなる。抜けていたはずの緊張感が一気に引き戻る。





『ハルお前さあ、電気消すのやめろふざけんなめっちゃこえーんだかんな』




いきなり後ろから声がしてそれをブンッと何処か適当にぶん投げて振り返る。と、私と同じくバスローブ姿のアオが髪を濡らしたまま私を睨みつけていた。





「ごめんって。間違えたんだって」

『8回も間違える馬鹿がいるか』

「はーい」

『ソウデシタネ』





呆れたように半目のアオは私から視線を逸らす。そして首から下げたタオルで髪をわしゃわしゃと適当に拭くとソファーに座り込む。







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