アオハル紙飛行機








『あれ?青井先輩は一緒じゃないんですね』

「あー、うん」

『僕、チョコ貰えるまでになりましたよ!』

「なにそれ自慢?超うざい」

『ははっ、違く・・・はないですけど、春井先輩と青井先輩には御礼ちゃんと言いたくって』






照れるように笑う飛田くんはあの頃とは違って、きっと毎日楽しく笑顔を浮かべて学校に来ているんだろう。そう思うと、私も自然と笑みが零れた。





『僕、2人に言われて勇気出して変われて良かったなって本当に心から思ってます』

「・・・・・・」

『怖かったけど、何もせずに怖がることが一番怖いんだって気付くことができました。本当にありがとうございます。今度、青井先輩にも会いたいって伝えて下さい』

「・・・うん」






飛田くんがチョコを2つくれて、また再び歩き出す。購買付近では遠山先輩と美和先輩カップルと、南ちゃん林田くんカップルに挟み撃ちにされる。






『あれ、青井くんと一緒じゃないんだー?』

『俺ら2人に御礼言わなきゃなーってさ、な?』

『うん。結局紙飛行機置いてきただけになっちゃってたし』

『俺は青井の罠に掛かって南と付き合えたわけだしな』






みんな言いたいことを言って私に微笑みかける。この中で変わろうとしなかった人なんて、誰1人いない。







< 365 / 421 >

この作品をシェア

pagetop