アオハル紙飛行機
部記録その3

グルリチキンよりチキンな男は男じゃない











「アオさんアオさん」

『なあにー?どったの』






4月末、暖かな陽射しの差し込む学校の昼間は穏やかそのものだ。


隣のクラスのアオの元に行けば奴は気だるげがいつもより増したご様子である。




『あ、春井ちゃん、ちわっす』

「故原くん。ちわーす。ちゃんとブロッコリー食べなよ」

『目敏いっすね』





廊下側のアオの机の上に可愛いお弁当を広げるのは金髪の男子高校生。


大量のピアスに極めつけは大口を開けて笑った時にきらりと光る舌ピアスを付けた男子高校生もとい所謂不良、やんちゃくんな故原 拓人くん。




みんなから敬遠されてしまいそうな彼とよくつるんでいるのがまさかのアオである。軟弱貧弱女顔の喧嘩てんで弱そうな華奢ボーイアオである。





『紫春、グリーンピース・・・いる?』

『要らん。食べられないなら飲め』

『何それ家畜!』

『鬼畜な』

『さすが紫春あったまいーっ!』

『そんなことある。もっと褒めて』

「(馬鹿だなーこいつら)」






だけどとても仲が宜しいようで何よりだ。





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