アオハル紙飛行機
親にはあんなこと、言えなかった。ずっと俺を応援してくれている親に、俺に愛情を深く注いでくれている親に、悲しい思いをさせたくなかった。それに、何処か俺のプライドが許さなかった。
きっとバレバレだったろうに、必死で取り繕ってすぐに部屋に篭った。
家に帰っても、学校にいても、どこにいても、もう、俺は何処にもいなかった。自分が自分ではなくなったと気づいた時にはもうとっくに手遅れだった。
もうどうすることもできないほど、俺は何もかも壊されていた。
大会前の最後の練習試合は、どこかの中学校のグラウンドで行われた。俺はいつも通り誰1人味方のいないチームでファーストに立っていた。
「(息が、苦しい・・・、)」
ミスをしてはいけない。ただでさえ目の敵にされているのに、ミスをすればどうなるかわからない。
ここ最近、食事さえ喉を通らなくなった。眠りにつこうとして朝を迎えることが怖くて、結局眠れなくなって、空っぽな胃から何度も吐き気を覚えて、普通に歩いている時でさえ倒れそうになることも度々あった。