アオハル紙飛行機

当て馬にしかできないことだってある











中学を卒業し、学力通りの高校に通う。






野球はやっぱり嫌いにはなれなかったけど、成長期だった時期の長い入院のせいで、体力はかなり劣ってしまった。俺は楽しかった父親との野球の記憶で、野球は終わりにしようとけじめをつけた。








そう思いながら、グラウンド横を下校中、サッカー部やテニス部、野球部を眺める。








あの子は、一体なんの部活に入ってたのかな。と、あの時の彼女は俺の中で薄れるどころか、色濃く強く、大きくなっていた。














─────────・・・こつん、












──と。俺の後頭部に何かが軽く当たる感触に振り向くがそこには何もない。訝しげに思いながら下を見ると、そこには1つの紙飛行機。






首を傾げながらそれを拾い上げ、飛ばした人物を探すように飛んで来た方向をふらりふらり、と視線を彷徨わせる。








その時、視野に入ったのは校舎2階の窓から身を乗り出して、俺に顔を向け両手を合わせる女の子。






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