アオハル紙飛行機








家に帰って何も考えられずに、バタン、とベッドに顔面から突っ伏す。






ずっと、あの日から、何も知らない彼女のことが好きで、ずっとずっと好きが募って、でも、もう二度と会えないかもしれないとも思っていた頃、偶然にも再会できて、









それで、その日に失恋した。










「全然笑えねー・・・」









未だにごちゃごちゃな頭で目まぐるしくリピートされる先程の出来事。何も出来ずに固まっていれば、いきなり俺の部屋の扉が凄い勢いで開けられる。







『紫春ー、漫画置かさせてー』

「姉ちゃんいきなり入ってくんのやめろ。勝手に俺の部屋に私物増やすのもやめろ」

『はいはいはいごめんね』

「聞けよ」








うるさいのが来たなあと思いながらベッドから起き上がる。どがん、と俺の部屋に大量の少女漫画を置いてすっきりしたような顔をする姉。いやなにすっきりしてんだよ。







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