アオハル紙飛行機
部記録その28
終わりよければ全てよしってことは途中経過に何かあったんだって察してあげて
今頃、ハルはアイツに告白しているんだろうか。
息を吸い込んで見上げた空は快晴。卒業式日和だな、なんてどうでもいいことを思いながら、グラウンドをゆったり、ゆったりと歩く。1人はこんなに静かだ。
在校生は卒業式後も授業があるのだが、俺は誰にも許可を取らず早退。もうそろそろ、在校生が卒業生を見送る時間になる。
「・・・ゴリラ見たらぶん殴りそうだしな」
3月1日、久しぶりにハルが俺を見つめてくれた。修学旅行のあの日からハルは俺を露骨に避けて、俺は自分を何度も殺したくなった。
所詮当て馬は当て馬で。結局、真奈美ちゃんも先輩とくっついて、瀬野は笑って彼女を送り出した。
「ださ。俺、同じことしてるし・・・」
ひどく長い片想いだった。ひたすら交わることのない片想いで。それでも俺は、報われないと知っていながらもハルの隣を選んだ。