アオハル紙飛行機







「私も、頑張ります。勝部先輩がマネージャーさんにしっかり気持ちを伝えた時みたいに」

『・・・そっか。春井さん、頑張れ』

「はい!ありがとうございました。勝部先輩、卒業おめでとうございます」

『ありがとう』








嗚呼、こんな時でさえ、私の頭の中は、アオでいっぱいで、会いたいと、切に思ってしまう。






勝部先輩と別れ、卒業式が始まる直前で下を向いた時に視界に入り込んだ自身の長い髪。ふと思い立ち、2年1組の列に並ぶ静川さんの元に行き、その腕を掴んで懇願する。









「静川さん、お願いがあるの・・・!」








いきなりのことにびっくりした静川さんだったが、私の真剣な瞳を見つめ返し、にっこりと微笑むと一緒に卒業式の直前を抜け出してくれた。





◇ ◇ ◇




2人で暫く篭っていた大きな鏡がある女子更衣室から出る。





「静川さん、本当にありがとう!」

『ううん!頑張ってね』






もう卒業式は終わっていたらしく、在校生は3年生見送りのためにぞろぞろと廊下や教室から外に向かって歩いていた。







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