アオハル紙飛行機
でも、ちゃんと私を守るためにしっかりと抱きとめられた腕。変に男らしいくせに、格好がつかないところにきゅん、としてしまう。
『ごめん本音言うね。──・・・可愛すぎて死にそう』
お互いに相変わらず、言い合って、笑いあって、それでも今までと違うのは、そのあと、思いっきり相手を抱きしめることができること。
身体を起こして2人で踊り場に座り込む。
アオは私を愛おしそうに、たまらなく優しい瞳で見つめ、何度も何度も確かめるように私の頬や髪、額を不器用な手つきで撫でる。
私はアオの首に腕を回したまま、私を抱きとめる代わりに床に落ちたルーズリーフに視線を送る。詳しくいえば、元紙飛行機のルーズリーフ。
「アオ、返事は?」
そうしてアオは、綺麗な指を私の唇に添える。静かにして、と無言で告げられた私は素直に口を閉じる。
『こういうのは、男から言うもんです』
「アオ、男だっけ?」
『ちょっと、今シーってやったでしょ空気読んで!』
「シー」
『いい子いい子』
頭を撫でられて、アオの綺麗な瞳が私をゆっくりと覗き込む。ふわり、と甘く微笑を零したその唇がそっと開く。