アオハル紙飛行機






『ハル、俺の彼女になってください』








ほんの少し首を傾げて、私を斜めから射抜くように視線を送ってくるアオ。ゆったりと悪戯に、それでも本気な気持ちで、甘く微笑むと、私の唇の触れる寸前のところで止める。





それに意識を奪われた一瞬。私の頭の後ろにアオの長くて大きな指が髪を絡めるように滑り込んで、私の首裏に手を添える。







高鳴る心臓に、もうすぐ触れてしまいそうな唇から漏れる甘い吐息に、強引に首裏に回された熱の篭った手に、何も答えられなくなる。








『ハルが俺の彼女になってくれなかったら、悲しくてキスしちゃいそう』

「彼女に、なったら?」

『嬉しくてキスする』

「結局キスするんじゃん」

『ハル、返事は?』

「嬉しいキス、してよ」

『もう止まんないけど、覚悟してね』








アオの低く囁くような声が、私の耳に滑り込んだ瞬間、ぐっと、首裏に回されていた手が引き寄せられて、残り僅かな隙間が埋まり、甘い痺れと共に強く深く触れる。





きっとそんなに長いキスではなかったのに永遠のように感じた。唇が離れて目の前で瞳を細めて心底嬉しそうに私を見つめるアオに抱きつく。






「これからもよろしくね。紫春」

『こちらこそ、末永くよろしくお願いします。青海』

「アオとハルが交換になっちゃったね」

『俺は青海と2人で居られるならなんだっていいんです』








そうして見つめ合って微笑みあって、頬を撫でられたのを合図にそっと目を閉じて、どちらからともなくキスをした。








これが私達の終わりで、新しいはじまり。










終わりよければ全てよし
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ってことは途中経過に
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何かあったんだって察してあげて
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