アオハル紙飛行機
アオハル
=そういうことです
自分たちの教室に向かう途中でごちゃ混ぜ集団にとっつかまる。
『あ!いたいた!って、手繋いでるし・・・!』
『やっとくっついたのね』
呆れる夏子とその隣でびっくりする故原くん。
『やっぱりお似合いですね』
恥ずかしそうな顔をする飛田くんと、アオを睨みつける佳菜子ちゃん。
『青井なんかより私と春井先輩の方が仲良しだもん』
それまた後ろには卒業アルバムと花束を片手に携えた遠山先輩と美和先輩。2人で私たちに優しい笑みを向けるその目はほんのり赤い。多分卒業式の余韻だ。
『おめでたい日って重なるもんなんだね』
『赤飯炊かなきゃ』
『美和、大袈裟』
彼らの会話にくすくす笑って同意するのは蓮見くんと長瀬くん。その横で林田くんと南ちゃんも大きく頷きながら笑っている。
『てゆーか自分たちのこと鈍感過ぎでしょ』
『人のことばっか助けてるから』
『でもそこがお2人の素敵なところですけどね』
『過剰なだけかも』
私の髪を切ってくれた静川さんは拍手をしながら号泣してくれていて、戸惑ったように静川さんの肩を抱える牧田くん。
『おっ、おめでとうございますー・・・っ!』
『小梅ちゃん落ち着いて』
他にも周りにたくさんの人が私たちのことを笑っていたり、呆れていたり、はたまた泣いていたり。その中に、勝部先輩とマネージャーさんもいて、2人は微笑みながら私たちを見ていた。