アオハル紙飛行機
『・・・で、結局お前らは卒業式にも出ずに何してたんだ?』
腕を組み、涙の欠片が1つもない設楽会長がそう言う。隣で目を真っ赤にさせて困ったように笑う山吹先輩とは正反対だ。
私はギュ、とアオに繋がる手の力を強める。それに答えるようにアオも優しく指先に力を込めた。
「この度、アオハル部は廃部となります・・・!」
『今まで本当にありがとうございました』
たくさんの人達の前でアオと頭を下げる。みんなが作ってくれた1つ1つの紙飛行機が私たちを結びつけてくれた。私たちは誰かを救っているようで、誰よりもみんなに救われていた。
だから、ちゃんとこうして、アオと2人で、お礼を伝えられて、本当によかった。
「そして本日より、私、春井 青海はもやしこと青井 紫春の嫁になりました!」
『待って色々飛び越えすぎ』
「あ、そう?じゃあ、妻になりました」
『変わってねえよ』
そして相変わらずな私たちに、笑い、呆れ、溜息がそこら中から聞こえてくる。私たちも正直に見つめあって笑ってしまった。
『結局、お前達はアオハル部だろうがなかろうが大して差はないだろうが』
『そんなこと言って。会長が1番アオハル部なくなるの寂しがってたくせに』
設楽会長の言葉にすぐさま山吹先輩が笑いながら反論する。それに盛大な舌打ちをしながらも、設楽会長は否定しない。