アオハル紙飛行機






「アオ」





ありがとう、と言おうとした瞬間、肩を抱かれていた手がバッと離れてびっくりして目でアオを追えば。






『ああああああっ、スポットライト熱くね?熱かった、あれは熱いわないわー。つーかさー、酸素薄いわマジでエベレスト登ったレベルだったいや登ったことねえけど』






目がギンギンなアオはぜーはぜーは息をしながら胸を抑えて息絶え絶えで一気にまくし立てる。壁に寄り掛かって「疲れた」と連発するアオはやっぱり『犬』と書くアオだ。






『で?何?』

「・・・ううん、別に」

『は?なんだよ言えよ。今更ツンデレ属性身に付けたって何も美味しくないから』

「うっさいわボケ」

『言えよー。なんだよ、寸土目されると気になって授業集中できないんですけどー』

「授業聞いてることあんの?」

『あ、ねえわ』





2人で思わず笑う。と、まだ舞台袖だったことを忘れていて部活動紹介のラストバッターである生徒会の1人、生徒会長に睨まれる。


2人で「ひぃっ」と声を上げて口を両手で抑える。




『最後に、生徒会長、3年の設楽 千桐です。まずこの場をお借りして言っておきたいことがあります』




彼はこの学校では顔だけのアオとは違ってどの分野でも有名人だ。

アオと系統は違えど知的さ溢れる凛々しい顔立ちに短髪、学業優秀で常に首位独走。リーダーに相応しい男といえば設楽 千桐。さすが生徒会長である。







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