アオハル紙飛行機
「すみません、お待たせしました」
『あっ、春井さん、青井くん、おはよう!』
にぱっと明るく笑う遠山先輩もお洒落さんだ。カーキのMA-1にデニムパンツに可愛らしいニット帽。隣の戸島先輩は高そうな花柄ワンピースにグレーのカーディガンを羽織っている。
「はじめまして、春井 青海です。今日はよろしくお願いします!」
『青井です』
『戸島 美和です。よろしくね』
私の挨拶に乗っかって眠気眼のまま頭をぺこ、と軽く下げるアオ。目の前の戸島先輩はキツめの顔立ちだが、話すととてもおっとりしていて如何にも不思議ちゃんだ。
『じゃあ行こっか』
遠山先輩の声に皆で動物園の入口へと歩き出す。今日はGWということもあって、人が多い。
「動物園だぁあああ・・・っ!」
『あの離れてくれます?知り合いだと思われたくないんで』
「んだとぶぁわーか!」
『飼育員さーん、ここでメスゴリラが暴れてまーす』
「バニーガールだ!」
『ばかばかばか意味知らないのに叫ぶな』