アオハル紙飛行機
『ぶはっ、あはははっ!え!紫春って女!?』
『うるさいんですけど黙ってくれますかさもなくば消え果ててくれますか』
『いやあ、かぁーいいなあ!17歳男子で21kgはないな!』
その瞬間、体育館のほぼ全員が思いっ切り吹き出す。もちろん私もだ。
学校1美青年のアオについてはみんな興味津々な分、誰もが予想を遥かに上回るアオの貧弱さに笑ってしまったのだ。
『あっはーっ!あひゃあははは、あーっ、腹痛てぇ!紫春ちゃんって呼んだ方がいい?紫春ちゃん』
『ぶっ飛ばす』
恥ずかしそうに頬を染めて少し泣きそうに眉間にシワを寄せるアオが故原くんのお腹をグーで殴る。
それでも故原くんは笑いながらアオの肩をぽんぽんと宥めるように叩く。
『いやあ、やっぱ効くわ握力21kgの男子高校生のパンチは一味違うわ』
『うッッッるせーんだよぶァわぁあーかッ!』
それに更に周りが笑う。男子達はアオを囲っていつも女子に持て囃されているアオをここぞとばかりに弄る。女子達は可愛いねーなんて言いながら楽しそうにきゃっきゃしている。
『青海の旦那、ビンの蓋も開けられないみたいよ』
「旦那じゃないんですけど」
『まあアンタは余裕で開けられるものねえ』
「旦那じゃないんですけど」