アオハル紙飛行機
何故か自信満々に挑発的に微笑をうかべるアオ。そんな顔に腹が立ってその挑発に乗るようにアオの大きくて細い右手に自分の右手を重ねる。
「レディー・・・ゴーッ!」
私の掛け声にグッとお互い右手に力を込める。なかなか動かないその手に私は必死に歯を食いしばって、ちらりと近い距離のアオの顔を見れば目が合う。
『やっぱりハルは女で俺は男なんだよ』
「は?あッ、!」
くすり、と余裕そうに笑われて反駁しようとした瞬間、なんとも呆気なく私の右手はアオの右手に押し倒されてマットの上に手の甲が着地した。
「はあ?なんなの、うっざ」
『何それ10割八つ当たりですよね』
ぼか、と左手でアオの左肩を殴る。アオはイラッとしたようにまだ密着し合ったままの右手に力を込めてくる。
「体力測定本気出すのめんどくせーってパターンだったわけ?」
『そう見えましたかあの必死な俺が』
「全く」
『だったらご覧の通りですよ』
アオは疲れたように溜息をつく。勝負に負けてぶすくれる私の顔を見て、哀れんだ顔をしてわざとらしく私に告げる。
『ハルさん、不細工ですねえ』
「うるっさいなあ!なんなの!?なんで私がアオなんかに負けたの。最悪」