アオハル紙飛行機










『放課後3人でふらふらしたのは、飲み物買うために行った中庭の自動販売機だよね。あそこのベンチで凄い喋ったし』

『後は、C棟横にある池のところでも自撮りとかしてはしゃいじゃってたよね』

「なるほどね」

『それくらい、かなあ。教室とか廊下とかも結構歩いたけど・・・』








その言葉を聞いて、私は心の中で気合を入れてさっさと出口に向かう。






扉を開けて振り返ると、まだぽかんと座っている彼女達。呆れ顔のアオの目は少しの怒りと面倒が滲んでいる。私はビシ、とアオを指さして立てと無言の圧力をかける。






「何突っ立ってんの。早く探しに行くよ」








凛として顎を上げ、アオを見下す私を見て盛大な溜息と共にアオはゆっくりとやる気なく立ち上がった。







『安田さん達はここで待ってていーよ』

『あっ、私達も・・・校舎の中探す!』

『・・・ふうん、じゃあ頑張ろうね』








アオは未だ座ったままの彼女達を見下ろし、愛想なくそれだけ返すとさっさと私の元へ歩いて来た。









「なんか素っ気なくない?」

『別にー』







中庭に行くまでの廊下で、たったそれっぽっちの会話しかなく、私達は曇り空を気にしながらさっさと目的地に向かった。






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