アオハル紙飛行機





◇ ◇ ◇







やってしまった。全てが砕け散った今、後悔しても遅いのにそればかりが頭を支配する。後10分前にでも時間を巻き戻したい。





私の両隣のトモダチも項垂れつつ、遂には私を咎め始める。







『てゆーかさあ、私達はただちょっと春井さんに悪戯しようってだけだったのにさあ』

『青井くんとは別に恋人になりたいとかそういうのなかったし。喋れるだけで良かったのにさあ、もう絶対無理じゃん、最悪』






遠回しに私が悪いと言いたいのだ。





私達は未だに池が見える廊下であの初めて見る青井くんの瞳に、怒りに、取り返しのつかない事をしてしまった事実に、立ち尽くすことしかできなかった。










『──・・・まだこんな処に居たんだ』










その時、フラットな感情をひた隠しにした低音が私達の耳に届いてそちらを向く。ローファーのまま、網を2本携える青井くん。







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