昨日までの私と今日からの私。
捨てたもの
私は今日、自分の全てを終わらせる。
いてもいなくてもいい私なんて、いなくなった所で誰も悲しまない。
大好きだった海。
両親がまだ仲が良かった頃、夏にはいつも来ていた。
今ではお互い仕事ばかりで、帰ってくるのは3ヶ月に一度会えればいい方。
父親は会社経営、母親は弁護士。
父と母は会社関係以外は、ほとんど会っていないと思う。
その母親が珍しく昨日帰って来た。
そして開口一番に。
「この家、もういらないわよね。あの人もほとんど帰らないわけだし。威音(いお)もマンション用意するから、そっちに引っ越しなさい。」
…唯一、昔の楽しい記憶のある家を出ていけと言われた。
ここにいれば、いつか昔のように戻れると信じていた。
浅はかな夢。
二人は離婚はしない。
きっと、世間体のために。
お互い、別の相手がいることもなんとなく気がついていて。
私はもう早くから捨てられていた事実を、目の当たりにした気がして。
どうしようもないくらい、胸が苦しくなった。
いてもいなくてもいい私なんて、いなくなった所で誰も悲しまない。
大好きだった海。
両親がまだ仲が良かった頃、夏にはいつも来ていた。
今ではお互い仕事ばかりで、帰ってくるのは3ヶ月に一度会えればいい方。
父親は会社経営、母親は弁護士。
父と母は会社関係以外は、ほとんど会っていないと思う。
その母親が珍しく昨日帰って来た。
そして開口一番に。
「この家、もういらないわよね。あの人もほとんど帰らないわけだし。威音(いお)もマンション用意するから、そっちに引っ越しなさい。」
…唯一、昔の楽しい記憶のある家を出ていけと言われた。
ここにいれば、いつか昔のように戻れると信じていた。
浅はかな夢。
二人は離婚はしない。
きっと、世間体のために。
お互い、別の相手がいることもなんとなく気がついていて。
私はもう早くから捨てられていた事実を、目の当たりにした気がして。
どうしようもないくらい、胸が苦しくなった。
< 1 / 39 >