昨日までの私と今日からの私。
「ふぅ~。夕御飯の材料買いすぎた?」

私は今日お昼から退院して、スーパーに寄り買い物して帰って来た所。

要は大学の講義を終え、迎えに来てくれた。

何から何まで感謝しかない。

あれから一度も来なかった両親と、今日も夕方来るかもしれない神威。

帰りにケータイも番号を新しくしてきた。

教える必要はないかなと、両親にさえ連絡していない。

いちお、私の方には登録はしてあるけど、かけることはこの先ないと思う。

今の所、教えたのは要だけ。

福岡のおじいちゃんとおばあちゃんにも伝える予定だけど。

おじいちゃんとおばあちゃんは、父の両親で私の心強い味方。

ずっと私を不憫に思ってか、福岡においでと言ってくれていた。

でも、私はいつか前のように…って、バカみたいな期待を捨てきれなくて大学まできてしまった。

二人は何度も父と母を怒ってくれてたみたい。

変わることはなかったけれど。

私はもう、両親には期待しない。

生活費だけ貰って、他人になってやる。

それを二人は望んでるから。

私の両親は…死んだ。
< 10 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop