昨日までの私と今日からの私。
そして、反撃開始
黒いドレスは身体にフィットした、所々に黒レースが施されているもの。

大人っぽいデザインで、かなり戸惑っているんだけど、二人と店員さんから押され、有無を言わさず決定。

ドレスを買うと、メイクも髪の毛もしてくれるとの事で、そのままされるがまま。

「可愛い。さすが私の孫やね。」

おばあちゃんはまじまじと私を見て微笑む。

二人に腕を組まれながら、高級ホテルへ。

今日は父の会社の創立記念パーティーで、母とも仮面夫婦を演じているはず。

受付につき、秘書課のキレイどころの皆さんが私達を見る。

「招待状はお持ちですか?」

「そんなものない。」

不信感ありありで私達を見てくる受付の人達。

まぁ、わかるけど。

でも、おじいちゃんを知らないなんて、新人さんかな?

「招待状のない方は…。」

「君は新人か?」

方言を完全に封印したおじいちゃんの威圧感に圧倒されてる?

「2年目になりますが…。」

「そりゃ知らないだろうな。ならば、山崎を呼んでくれ。」

「秘書課室長の山崎ですか?」

困惑ぎみの受付さんだけど、この場を経験の浅い人だけにするなんて神経疑う会社だわ。

失礼があったらどうするの。

福岡で自由気ままな暮らしを、三年前からしているとはいえ、おじいちゃんは今も会長。

誰も教えてないの?

呼ばれた山崎さん登場。

「会長!奥様と威音お嬢様も!お久しぶりです。」
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