昨日までの私と今日からの私。
優雅に振り返りながら、微笑とともにおばあちゃんは山崎さんにも警告する。

おじいちゃんとおばあちゃんは、きっと社長というポジションのあの人を見限るつもりだ。

ということは、必然的に愛人である二人は居辛くなり、一掃されるだろう。

次は…あの人の弟の息子、私の五個上の成(なり)くんかな。

彼はとても優秀だと言っていたから、桐島も大丈夫そうね。

これはおじいちゃんとおばあちゃんの優しさ。

私を政略結婚させない為に社長をやめてもらって、一切の芽を潰す。

完璧にあの男を叩きのめすつもりだ。

おじいちゃんとおばあちゃんの我慢は限界を越えてしまった。

10年、我慢して様子見してたらしいけどね。

私が小学校高学年の時からの10年間ね。

じゃあ私も最後にひとこと。

叩きのめすなら徹底的にね。

『あっ、それから。最後に…あなたの愛人さんと山崎さん、デキてるよ?すごい股がけ。悲しい夫婦だよね。』

「!!」

驚く顔が2つ、真っ青な顔が2つ。

それを見ながら、私とおじいちゃん、おばあちゃんはその場を後にした。

10年我慢したら、私も大人になるし、切り札いっぱい持ってるし、強くもなるのよ。

いつか使えるからと、成くんとたくさん調べてたのよね。

縁を切る今日、ほんの一部を使っただけ。

まだまだあるのよ。




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