昨日までの私と今日からの私。
お店の名前を言うと。

「知ってる。めっちゃ美味しいとこだ!」

って、嬉しそうだ。

よかった。

「彼は大丈夫なの?」

千李さんは神威を気にしてる。

『大丈夫です。何度も食べてますから。まぁ、最後は一年位前ですけど。』

そんなバツの悪そうな顔しないでも。

嫌みじゃないんだけど、そう聞こえたかな。

「そこの人、この一年はまともに威音を見てさえなかったですからね。」

「それはもったいないな。威音ちゃんの笑顔は可愛すぎるのにね。」

要にすかさず乗ってくる千李さん。

冗談だとわかってるけど、顔が赤くなる。

かなり恥ずかしい。

「真っ赤な顔も可愛いね。」

ううっ。

これ以上はやめてほしい。

「威音!」

何故か引っ張られる私の腕。

『藤守さん、離してもらえます?ご飯の用意しますから。』

そう言って、そのままキッチンへ行く。

遅れて要もやってきた。

「威音、まだ赤い。」

『言わないで。』



< 34 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop