昨日までの私と今日からの私。
「ちょ、はぁ?!」

叫ぶ神威と。

「きゃあ~!やっぱり!東さん、威音を気に入ると思ったのよ!」

歓喜の声をあげる要と。

きっと、顔が真っ赤な私と。

千李さんはニコニコしながら、私を見てる。

ううっ、これ以上見ないでください…。

「威音、見ちゃダメだ!この人はイイヒトの皮を被った狼だ!」

神威が私の腕を引っ張って、胸に抱え込む。

私はそんなことも気にならないくらい放心状態。

「うんうん、東さんはロールキャベツ男子ね!ますます良いっ。威音にはそんな人が合ってるわ。」

「三笠さん!変なこと言わないっ。威音はオレのだから!」

「いや、違うでしょ。威音はアンタのじゃないから。藤守さんこそ変なこと言わないでくれる?!てか、威音を離せ。」

神威と要は二人でヒートアップ。

いつのまにか神威の胸から脱出できていて。

千李さんが私の両手を握って、目の前にいる。

「と、いうことだから。威音ちゃん、これからもよろしくね?」

耳元で囁かれ、満面の笑み。

私はというと。

『…お手柔らかにお願いします…。』

ドキドキしながらそう言って、ほんの少しだけ握られた手に力をいれることしかできなかった。

それでも千李さんには伝わったみたいで、ますます嬉しそうに握り返されてしまった。

< 37 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop