昨日までの私と今日からの私。
『…帰って。』

「帰らないよ。」

ふぅっ…て、おもいっきりため息をつく。

今さら私の傍にいてくれても、もう素直に嬉しいと思えない。

神威は罪悪感を感じてるだけなのよ。

それは愛情じゃない。

『…私の事はもう気にしないで。仕事、戻って。』

「もう終わらせてきた。」

『この一年、デートもできないくらい忙しかったのに?』

「ごめんな。でも、これからは時間作るから。威音の行きたい所に行こう?」

『…ないよ。今までは作る気がなかった時間が、これからはあるのはおかしいよ。私への罪悪感から気にしてるんだったら、もういいのよ?あなたに私が必要なかったように、これからの私にあなたは必要ないの。』

冷たいかもしれないけれど、今きっちりと突き放しておかないと。

神威の重荷になってしまう。

私はもう、同情はいらない。

「藤守さん、帰ってもらっていいですか?これ以上は威音の精神的負担になるんで。」

要の冷たい視線が神威に注がれる。

「また明日来るよ。」

そう言って私をじっと見つめ、帰っていく神威。

来ないでほしい。

もう、先に進みたいんだから。



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