[短編]きみの手紙
前略
前略 元気にしていますか。
みどり。今きみがこれを読んでいるという事は、僕はどこか遠い場所へ来てしまったようです。
それが東京なのか、日本なのか、はたまたアメリカなのかも分かりません。
きみは笑っていますか。
泣いていますか。
いつもみたいに、怒っているかもしれませんね。
僕はずっと、きみの事が好きで大好きでした。
白い部屋でひとり、きみに会いたくて泣いた日もありました。
なんて、かっこ悪いですね。忘れてください。
かっこいい男でいたかったのです。
きみだけには、かっこいい男と思ってほしかった。
もしまた会う事があったら、その時は笑ってください。
ださいやつだなって。
それでは、また会いましょう。
草々 北川みどり様
北川圭吾