青空の下で

男の子の手に触れるなんて、考えただけで緊張するけど、これくらいは普通なのかなって思い、手を握ろうとした……



私だってこの環境に慣れていかなきゃいけない。



そのとき、ドスッと春樹君の頭に何か当たった。



「痛ってぇ~」



春樹君は頭を抱えてしゃがみこんでいる。



私は出した手を慌てて引っ込めた。



「悪い。見えなかった」



窓側の男の子の大きな鞄が、春樹君の頭にぶつかったみたい。



ボソッと謝った男の子は教室を出ようとしてたけど、ドアの所で春樹君に捕まった。



「お前、絶対ワザとだろ?」と春樹君が、窓側の男の子に纏わりついている。



男の子はいつかのさっちゃんのように春樹君には反応せずに教室を出て行った。

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