青空の下で
次の日、学校に行くのが憂鬱だった。
でも、家にいることはできない。
空は澄み切っているのに、私の心にはどんよりと雲が覆っている。
いつもは大好きな風も今日は心に突き刺さる。
「おはよう」
さっちゃんの顔を見るとホッとして涙がこぼれる。
「えっ?紗枝ちゃん大丈夫?どうしたの?」
「ごめんね。大丈夫。すぐに収まるから」
「今日サボっちゃおう。紗枝ちゃんに話したいこともあったし」
私はさっちゃんに連れられて、高校の近くの公園に来た。
その頃には、涙もすっかり止まっていた。
「春樹からウチが帰ってからの事聞いて……そのことで泣いてた?」
「…………」
「由香ちゃんは春樹のことが好きで、紀子ちゃんは岬のことが好きなんだと思う。私の勘だけど……だから、紗枝ちゃんが岬と仲良くしてて嫉妬したんだと思うよ。あんまり気にしないほうがいいよ。私は紗枝ちゃんの味方だし」
「ありがとう」
私は友達にこんなこと言われたのが初めてですごく嬉しかった。
だから、さっちゃんにはあの日の気持ちと昨日の美術室での出来事を話した。
「そっかぁ~それってさ紗枝ちゃん岬のこと好きなんじゃないの?」
「えっ?」
さっちゃんの言葉に私自身が一番驚いている。
「違う?」
「わからない。私、好きになった事とかないから、この気持ちが好きってことなのかよくわからない」
「そっかぁ~まぁ、取りあえず仲直りしなよ。岬はいい奴だから謝れば大丈夫だよ」
「でも、言葉で上手く伝えられるかどうかわからなくて」
「じゃあ手紙でも書いて渡せば!!」っていうさっちゃんの提案どおり、私は岬君に手紙を書いた。