青空の下で

その話をお昼休みに聞いてから、私は緊張しっぱなしだった。



いつも以上に岬君のほうに視線を向けられない。



キーンコーンカーンコーン



帰りのホームルーム終了のチャイムが鳴ると岬君はすぐに教室を出て行った。



あれ?さっちゃんの話聞き間違えたかな?



私は首をかしげながら帰る支度をする。



「ウチ、部室寄って行くから」



私は教室を出ようとするさっちゃんを引き止めた。



「岬君いないし、今日じゃないのかも?」



「今日って言ってたよ。岬も恥ずかしいんじゃない?玄関辺りにいるって。じゃあ、頑張って!!」



頑張ってって言われても……



さっちゃんと別れ、玄関へと向かったけど、そこにはやっぱり岬君の姿はない。



私はホッとしたような残念なような気持ちで靴を履き替え自転車置き場へと向かう。



自分の自転車を取り、歩き出したその時「原田」と名前を呼ばれた。



振り向かなくてもわかる、太くて低くて男らしい岬君の声。



私は名前を呼ばれただけで、体中が赤くなったような気がする。
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