青空の下で
由香ちゃんは春樹君にベッタリくっついて、紀子ちゃんは岬君。
私達が少しでも近づくと2人は凄い顔をして私達を睨み付けた。
「春樹。あ~ん」
「由香ちゃん、優しい」
お調子者の春樹君はすっかり由香ちゃんのペース。
岬くんも紀子ちゃんに腕を絡められているのに抵抗しない。
「紗枝ちゃん……食べ終わった?」
「うん」
さっちゃんは暗い顔をして私の手を握り締めた。
「向こうに行かない?」
「いいよ」
私達はみんなから離れ、砂浜を歩いていく。
この街の海水浴場は白い砂浜。
寒い土地にはあり得ないんだけど、市の計画で今年から導入されたらしい。
私は始めての白い砂を噛み締めながら、さっちゃんと並んで歩く。
「ここ座ろうか」
私達は岩場のところに腰掛けた。
「ウチと春樹は幼馴染なんだ。家が近所で……」
さっちゃんは海を見つめながら、春樹君の事を話始めた。
「ウチ、4歳の時に引っ越してきたから、近所に友達がいなかったんだ」
「うん」
「女なのに背が高いって近所の男の子達にからかわれて、いっつも泣いていた。見えないでしょ?」
「今のさっちゃんからは想像できないかも」
「春樹の両親はウチが引っ越してくる少し前に離婚した。それで春樹の妹は父親に引き取られた」
「うん」
春樹君の家も離婚しているんだ……
私は波が行ったり来たり繰り返す水面を見つめながら、母親が出で行ったあの日を思い出していた。
「泣いてるウチを見て、春樹は妹とかぶったって言ってた。春樹はいつもウチの側にいてくれて、それが当たり前だった」
「うん」
「でもね。今日、由香ちゃんと仲良くしてる春樹を見て、春樹が離れていくって思ったの。そしたら……不安になった。春樹に側にいて欲しいと思った」
「さっちゃん。それって?」
「ウチ、春樹のこと好きなのかな?」
さっちゃんは目にいっぱい涙を溜めて私の方を見る。
私達が少しでも近づくと2人は凄い顔をして私達を睨み付けた。
「春樹。あ~ん」
「由香ちゃん、優しい」
お調子者の春樹君はすっかり由香ちゃんのペース。
岬くんも紀子ちゃんに腕を絡められているのに抵抗しない。
「紗枝ちゃん……食べ終わった?」
「うん」
さっちゃんは暗い顔をして私の手を握り締めた。
「向こうに行かない?」
「いいよ」
私達はみんなから離れ、砂浜を歩いていく。
この街の海水浴場は白い砂浜。
寒い土地にはあり得ないんだけど、市の計画で今年から導入されたらしい。
私は始めての白い砂を噛み締めながら、さっちゃんと並んで歩く。
「ここ座ろうか」
私達は岩場のところに腰掛けた。
「ウチと春樹は幼馴染なんだ。家が近所で……」
さっちゃんは海を見つめながら、春樹君の事を話始めた。
「ウチ、4歳の時に引っ越してきたから、近所に友達がいなかったんだ」
「うん」
「女なのに背が高いって近所の男の子達にからかわれて、いっつも泣いていた。見えないでしょ?」
「今のさっちゃんからは想像できないかも」
「春樹の両親はウチが引っ越してくる少し前に離婚した。それで春樹の妹は父親に引き取られた」
「うん」
春樹君の家も離婚しているんだ……
私は波が行ったり来たり繰り返す水面を見つめながら、母親が出で行ったあの日を思い出していた。
「泣いてるウチを見て、春樹は妹とかぶったって言ってた。春樹はいつもウチの側にいてくれて、それが当たり前だった」
「うん」
「でもね。今日、由香ちゃんと仲良くしてる春樹を見て、春樹が離れていくって思ったの。そしたら……不安になった。春樹に側にいて欲しいと思った」
「さっちゃん。それって?」
「ウチ、春樹のこと好きなのかな?」
さっちゃんは目にいっぱい涙を溜めて私の方を見る。