青空の下で
チャイムが鳴って、フワフワ男の子が教室を出て行くときに「幸子、覚えてろよ」とさっちゃんの頭をグシャグシャと撫でた。
「春樹最悪」という言葉とは裏腹に、さっちゃんは少し頬を赤くしながら手鏡を出して、髪を整えてる。
あの人、春樹っていうんだ……
なんか、さっちゃんは外見だけじゃなく中身も都会の子って感じだな。
私、何もかもが浮いている気がしてきた。
大きなため息を吐いて、何気なく窓側に目をやると、さっき春樹君とじゃれ合っていた男の子と目が合った。
男の子なんて慣れていないから、とっさに目を逸らしてしまったけど、クラスメイトなのに感じ悪かったかなって、後になって少し後悔した。
この日は、色々なプリントが配られて、長い説明を聞かされた。
私は少しでも高校の雰囲気に馴染めるように、真剣に説明を聞いた。