青空の下で
窓の外の木々は色を変え始め、時折吹く風に背中を丸める。
吸い込む空気も少しずつひんやりしてきて、冬の訪れを感じさせる。
季節のせいだろうか?
授業中にふと窓の外を見ると、無性に寂しくなる。
灰色の空に吸い込まれてしまいそうになる。
キラキラと光っていた汗を見ることは来年までないんだな。
そう思って岬君に目をやると、岬君も私のほうを見ていた。
目が合うだけで、やっぱり泣いてしまいそうになる。
私はすぐに視線を逸らし、黒板のほうを見直した。
“夏と一緒に私の恋は終わったんだ”
そんな事を言ってしまったせいか、本当に夏はいつの間にか終わってしまっていた。
あと少しで、厳しい冬が訪れる。
その厳しさを乗り越えれば再び新しい季節が巡ってくる。
私はこんな風に岬君への思いを胸に抱えたまま高校生活を過ごしていった。
いつも心のどこかに切なさを抱えたまま……