青空の下で
エピローグ
私は短大を卒業した後、小さな会社に就職した。
村からは出たけれど、隣町に住んでいる私は何だかんだこの土地が好きなんだと思う。
この町はあの頃と何も変わっていない。
冬は厳しく、夏は暑く、沢山の自然に囲まれている。
さっちゃんは去年結婚した。
もちろん相手は春樹君。
本当に幸せそうで涙が出た。
結婚式の日に岬君の姿はなかった。
この町には一度も帰省せずにサッカーに打ち込んでいる岬君。
私達は卒業式のあの日、お互いの思いを伝えたけどそれだけだった。
お互いが別々の道を歩き始めた私達には「好きです」その言葉だけで充分な気がして。
だから、連絡を取り合っているわけでも何かの約束を交わしたわけでもない。
ただ、私の心の中には相変わらず君がいたんだけど……