裸足のシンデレラ

国内で有数の大学病院に就職した司だが奨学金と父が作った賠償金と母の医療費を賄うのがやっとで贅沢できない生活が続いていた




病院の古い寮に暮らしているのは司ひとりで同僚たちからも明らかにお金がないことが分かる




着る服もろくなものが無くてほとんど手術着でいる




髪も無造作に伸びていて時間があるときに自分で切るほどだった





それでも司は自分のことなど気にかける余裕がなかった





最近母の体調が不安定でいつなにが起きてもおかしくはない





自分へかけるお金を母の医療やケアに少しでも多く回すことしか考えていないのは





母を失うかもしれない恐怖が常に彼を襲うからだ