裸足のシンデレラ
まずは少しでも体力を回復することと熱を出さず一定の体調を維持することが目標だった




「全然だめね、私の体。」




その日は茜は朝から熱がありベッドから出ることすらできないでいた




司が点滴をたてていると茜はひとりにしてほしいと頼んだ




「焦りは禁物だ。ゆっくりいこう。時間はいっぱいあるから」




そう言って司はホットミルクをサイドボードに置いて螺旋階段を降りた




階段を降りるとシルバーの入り口が今日も冷たく閉ざされているのが目にはいる




ここで暮らして1週間




時間が経つとその分扉が冷たく感じる




ずっとここに閉じ込められている茜を思うと心が痛んだ





「きゃ~!」『ガタガタガタ~!』




振り向くと茜が螺旋階段から落ちて床にうずくまっていた
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