炎のごとくっ!
早速、入学式が終わった後でクラスの担任話やら何やらが終わって野球部の部室に顔を出してみた。

どうやら、この学校では入学式が終わった後に入りたい部活に顔を出しても良いみたいだ。

「すみません。俺、ここの野球部入りたいんで顔を見せに来たんスけど・・・。」

俺がそういうと、部室にいた部員がいう。

「あー、どうも。新しい新入生か。」

と言い、俺をジロジロと見る。

「背は野球選手としてはちょっと低いけど体つきは良いね。さては君、投手だな。」

「まあ、一応投手っスね。外野と内野も出来るけど。」

「ほう!万能型の選手だね!中学時代は控えだった?それともスタメン?」

「スタメンっス。エースで4番です。」

俺がそう言うと男は更に食い付いてきた。

「何々?エースで4番だと?これは逸材だ!我が弱小校にも万能型の4番が入部となれば他校の驚異となるな!」

「いや、俺一人だけじゃ驚異もクソも無いっスから」

「そうだな、少し一人で舞い上がってしまったよ。」

そう言うと男は名簿を出してきた。

「取り敢えず今日はこの名簿に名前と希望ポジションを書いてくれ。あと、軟式出身か硬式出身とかも書いてくれ。練習は早速明日からで、新しいユニフォームを貰うまでは中学のユニフォームで練習に参加してもらうよ。」

俺は名簿に名前と希望ポジションと軟式出身を書いた。

「ふむ、穂村湊くんか。『ほむら』も『みなと』も女の子の名前だと滅茶苦茶可愛いよね。」

「先輩ちょっと気持ち悪く感じるんで可愛いとか言わないでくださいッス。」

俺は「穂村湊」という名前の為、苗字と名前が女の子みたいで可愛いとよく言われる。これが凄く嫌である。

「でもどこかで聞いたことある名前だねぇ・・・まあいいか。それじゃあ明日から宜しくね」

先輩がそう言うと俺はお辞儀をして部室を出た。
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