箱庭の世界
ホラー・オカルト
1
☆スピリタス★/著
- 作品番号
- 1424264
- 最終更新
- 2018/11/24
- 総文字数
- 7,574
- ページ数
- 18ページ
- ステータス
- 未完結
- PV数
- 1,585
- いいね数
- 1
囚われたのは私か、貴方か。
「──このままここにいたって無駄死にするだけ。死ぬなんて勿体無いわ。私についてこない?一度捨てた命なら私の為に生きなさい」
「死が二人を別つまで?いやいや、死んでからもずっと一緒だよ。俺達は未来永劫片時も離れることなく、永遠に一緒」
最後にほくそ笑むのは誰か。
「可哀想に。あんな化け物に捕まって」
「それは、どうかしらね?」
化け物?
それはどっちが?
可哀想?
本当に?
捕まった?
どっちが捕まえた?
「世界中の全ての人間が仁を嫌いになればいいのに。嫌われて怖がられて、仁に居場所なんか無い。帰るところも無い。仁は孤独なの。誰にも仁を理解することはできない。仁を理解しようと思わないで。理解出来なくていいの。仁を理解できるのは私だけ。私を理解できるのも仁だけ。仁は本物のバケモノなんだから」
「どこに寄り道してもいいよ。どこへいっても俺からは逃れられない。世界中、いや宇宙の全てを把握して地の果てまで追いかけて行くからね。逃げる獲物を追い詰めて捕まえる過程を楽しむのもまた一興だ。最後には必ず俺の元へと戻ってくる。なな自らね」
「私は放し飼いしているだけ。私の広い庭に放して言動を観察しているの。世界中の全てが私の庭よ。雨が降れば中に入れてあげるし、目の届く範囲内なら自由に行動させているわ。ただし、逃げ出すことは許さない」
「なな、ななにとって俺はななの一部なんだろうね。俺が居ないとななは形成されない。けれどね、なな。俺にとってはななは俺の全てなんだ。ななが居ないとそもそも俺は存在自体していないから。俺を生かした罪は重いよ。責任、とってくれるよね?」
痛みを分かち合い、罪を共有し、秘密をお互いの墓場まで持っていく。
それは、幼い日の誓いだった。
「俺が死んだらななが死ぬ。ななが死んだら俺が死ぬ。ななを殺すのは俺で、俺を殺すのはななだ」
あの日、私達は契約を交わした。
「───俺達は共犯者だ」
誰にも汚されることのない泥にまみれた淡い約束。
「────それでいい。それがいいの。おいで、仁」
貴方を救ったのは私で、私を助けたのは貴方だった。
「──このままここにいたって無駄死にするだけ。死ぬなんて勿体無いわ。私についてこない?一度捨てた命なら私の為に生きなさい」
「死が二人を別つまで?いやいや、死んでからもずっと一緒だよ。俺達は未来永劫片時も離れることなく、永遠に一緒」
最後にほくそ笑むのは誰か。
「可哀想に。あんな化け物に捕まって」
「それは、どうかしらね?」
化け物?
それはどっちが?
可哀想?
本当に?
捕まった?
どっちが捕まえた?
「世界中の全ての人間が仁を嫌いになればいいのに。嫌われて怖がられて、仁に居場所なんか無い。帰るところも無い。仁は孤独なの。誰にも仁を理解することはできない。仁を理解しようと思わないで。理解出来なくていいの。仁を理解できるのは私だけ。私を理解できるのも仁だけ。仁は本物のバケモノなんだから」
「どこに寄り道してもいいよ。どこへいっても俺からは逃れられない。世界中、いや宇宙の全てを把握して地の果てまで追いかけて行くからね。逃げる獲物を追い詰めて捕まえる過程を楽しむのもまた一興だ。最後には必ず俺の元へと戻ってくる。なな自らね」
「私は放し飼いしているだけ。私の広い庭に放して言動を観察しているの。世界中の全てが私の庭よ。雨が降れば中に入れてあげるし、目の届く範囲内なら自由に行動させているわ。ただし、逃げ出すことは許さない」
「なな、ななにとって俺はななの一部なんだろうね。俺が居ないとななは形成されない。けれどね、なな。俺にとってはななは俺の全てなんだ。ななが居ないとそもそも俺は存在自体していないから。俺を生かした罪は重いよ。責任、とってくれるよね?」
痛みを分かち合い、罪を共有し、秘密をお互いの墓場まで持っていく。
それは、幼い日の誓いだった。
「俺が死んだらななが死ぬ。ななが死んだら俺が死ぬ。ななを殺すのは俺で、俺を殺すのはななだ」
あの日、私達は契約を交わした。
「───俺達は共犯者だ」
誰にも汚されることのない泥にまみれた淡い約束。
「────それでいい。それがいいの。おいで、仁」
貴方を救ったのは私で、私を助けたのは貴方だった。
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