猫かぶり同盟
パーティー会場を覗くともうお父様の周りには人だかりが出来ていた
私が嫌な顔をすると
シャルロットは早く行けと言わんばかりに視線を送ってくる
アリシア「わかってますよー」
私は1歩踏み出した
ザワザワ
「おい見ろよアリシア姫様だ!今日も美しい」
「空色のドレスがよくお似合いね」
視線を痛いほど感じるけどもうこんなのは慣れた
何人かと挨拶を交わしながら
お父様に誕生日のお祝いを告げた
お父様は嬉しそうに笑う
人徳と優しさに溢れたお父様は私の自慢だ
お母様が病気で亡くなってからもう4年
お父様は私にさえ泣き顔をひとつも見せずに国を導いた強い人だ
アナウンスが入る
『それではこれからウィリアム王様の誕生日を祝してダンスパーティーを開催します』
ああめんどくさい、バルコニーにでてよう
私はそそくさと会場を後にした