オリオン
紹介なんてしなくていいし、挨拶とかもされたくないけど、透き通るその声に催眠術にでもかけられた気分だった。
「どもっ」
一応挨拶だけはしておこう。
「これから、ミナを溜まり場に連れて行ってみんなに紹介するんだけど、シンも行かない?!」
突然の彰の言葉に私がかかっていた催眠術は一気にとけた。
「そんな話聞いてねぇよ!!」
新しい友達なんて要らない。
彰がいてくれれば充分だし……
人が集まるところは苦手……
それを知っていて内緒で連れて行こうとしていた彰に腹が立つ。