オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「都には赤が似合う」
「…ちょっと、派手じゃない…?」
「だから似合うんだろ」
「多くの配下を抱える軍師殿にぴったりだ」と憎まれ口をたたく向居は、とうに決めて着替え済みでいた。
深く澄んだ濃紺に白銀糸の刺繍がさりげなく入る品の良さが、向居にめちゃくちゃ合っている。
まるで向居に来てもらうためにあったような着物に思えた。
ほんとこの男、なんでも似合うな。
対して私、着物に負けてしまわないかしら…!?
「わぁあ、すっごくよく似合ってますね!」
けれども、試着して姿鏡で確認してそうそう、店員さんがベタ褒めてくれた。
「そ、そうですか…? 着物が綺麗だから…私ちょっと負けちゃってません?」
「そんなことないですよぉお。実はこの柄、気に入ってくださる方多いんですけれど、いざ着ると似合わないから、ってやめる人が多いんです。けれど、お客様はすーっごくよくお似合いです! まるでお客様のために用意されたようですよ!」
上手い。この店員さん上手いなぁー。
戸惑う私をよそに、店員さんのテンションは高い。
「よかったら彼氏さんと記念写真とりますよ?」と、なかば強制的にスマホを受け取ると、向居と私を並ばせて写真を撮ってくれた。
気付けば他の店員さんもやってきて、私たちそっちのけで画像を見てテンションを上げている。
「へぇええ美男美女…!」「すっごいお似合い!」
なんてお世辞を並べ立てられてしまえば、もう今更変えてください…なんて言えない。
「じゃあ、これにします…」
と決めたのだった。
「…ちょっと、派手じゃない…?」
「だから似合うんだろ」
「多くの配下を抱える軍師殿にぴったりだ」と憎まれ口をたたく向居は、とうに決めて着替え済みでいた。
深く澄んだ濃紺に白銀糸の刺繍がさりげなく入る品の良さが、向居にめちゃくちゃ合っている。
まるで向居に来てもらうためにあったような着物に思えた。
ほんとこの男、なんでも似合うな。
対して私、着物に負けてしまわないかしら…!?
「わぁあ、すっごくよく似合ってますね!」
けれども、試着して姿鏡で確認してそうそう、店員さんがベタ褒めてくれた。
「そ、そうですか…? 着物が綺麗だから…私ちょっと負けちゃってません?」
「そんなことないですよぉお。実はこの柄、気に入ってくださる方多いんですけれど、いざ着ると似合わないから、ってやめる人が多いんです。けれど、お客様はすーっごくよくお似合いです! まるでお客様のために用意されたようですよ!」
上手い。この店員さん上手いなぁー。
戸惑う私をよそに、店員さんのテンションは高い。
「よかったら彼氏さんと記念写真とりますよ?」と、なかば強制的にスマホを受け取ると、向居と私を並ばせて写真を撮ってくれた。
気付けば他の店員さんもやってきて、私たちそっちのけで画像を見てテンションを上げている。
「へぇええ美男美女…!」「すっごいお似合い!」
なんてお世辞を並べ立てられてしまえば、もう今更変えてください…なんて言えない。
「じゃあ、これにします…」
と決めたのだった。