オプションは偽装交際！～大キライ同期とラブ・トラベル！？～

「…おまえ、けっこう性格悪いな」


さすがにはしゃぎ過ぎてしまったようだ。私は「ごめんごめん」と返すと口調をあらためた。


「だって、私の中での向居って、『なにをやっても完璧』ってイメージだったんだもの、ついうれしくて」

「うれしいってな…」

「だって、ぶっちゃけ言うと、私、向居に嫉妬してたのよ。成績優秀で上司にも後輩にも慕われる完璧人間。…どうがんばっても敵わない、って劣等感を感じてたんだから」

「……」


おまけに見かけも完璧。性格までも遜色ないし。
いよいよ欠点なんて無い気がする。
多少不器用なくらい、ここまで長所がそろっていれば気にならないわよ。

私の素直な言葉に多少なりとも面食らったのか、向居はしばらく絵付けに集中すると、ぽつりと返した。