オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
「ずいぶん買いかぶってくれてるな。都が言うほど俺は完璧じゃないよ。…俺にだって上手くいかなくて苛立つことはある」

「へぇ、意外」


ちょっと驚く。
向居が上手くいかなくて苛立つことなんかあるなんて。

気になる。

こう振られてしまえば、詮索しない方がおかしい。


「えーなになに? 人間関係は問題なさそうだし、仕事だって気に病むほどではないはずでしょ。…となれば考えられるのは…」

「恋愛、とか」


ああ“-! 筆がはみ出しちゃったじゃない!


「うそつき!」


思わず叫んだ私に、向居も盛大に筆をはみ出させる。


「…なんでだよ」

「そんな見てくれしてハイスペッグなくせに恋愛が上手くいってないなんて、絶対信じないわよ!」

「こんな嘘ついてなんの得があるんだよ」

「だって、実際、モテまくってるじゃない!」

「まあな」

「否定しろ! わかった。理想が高すぎるってやつね」
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