オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~

3

約一時間後。
絵付け体験を終えた私たちは、ふたたび通りを歩いていた。

慣れない作業を強いられたせいか、向居は心なしかぐったりだ。


「はい次はどうするー」


棒読み向居。
私はこの後も見たいお店はあったし、スイーツ巡りもはずせない。
でも、向居の様子を見るとこれ以上連れまわすのは酷に思えた。スイーツ巡りは明日もできるし。


「もう特にないのよね。まだ時間あるし、どうしようか」

「じゃ、次は俺の行きたいところでいいか?」


すかさず訊いてくる向居。
よっぽど絵付け作業に神経をすり減らしたらしい。私は半分労わるような気持ちになりながら快く頷いた。

そうして、通りを抜け、今度はタクシーを使って向かったのは…。
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