オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
なんて巡らせながら向居についていく私の歩く速さは、徐々に遅くなっていく。
実はタクシーに乗る前から足が痛みだしていた。
靴擦れだ。慣れない下駄を履いたせいらしい。
ここを観終わったら戻って着替えよう。帰りはタクシーを使うし、もうひと頑張りなら耐えられる。
と、軽く足を引きずりつつ歩くと、あれ、出店が見えてきた。
「ほら、あそこにある出店。売っている豆大福がすごい美味しいって評判なんだよ。知ってたか?」
「え!」
指をさして振り返った向居に、私は驚愕の表情で返した。
知らなかった…!
この寺でそんな出店が出ているなんて、どの情報ででも見つけられなかったわ…!
愕然となる私。
自他ともに認めるリサーチ力が泣くわ…。
と、ショックに茫然としている私をよそに、向居は楽しげに続ける。
「期間限定で出る店で、十年に一度、秘仏御開帳の時に合わせて出されるんだよ。その豆大福が美味くてな、幻の大福と言われているんだ」
「え? ひぶつご、かいちょう?」
なるほど、十年に一度しか出ないなら、私が知らないのも無理はない。うん、仕方がない―――って納得するのはいいが、聞き慣れない言葉に、向居の言ったことが半分しか理解できない私。
「大福餅セット、ふたつください」と出店の店員さんに注文しながら、向居が説明してくれた。
実はタクシーに乗る前から足が痛みだしていた。
靴擦れだ。慣れない下駄を履いたせいらしい。
ここを観終わったら戻って着替えよう。帰りはタクシーを使うし、もうひと頑張りなら耐えられる。
と、軽く足を引きずりつつ歩くと、あれ、出店が見えてきた。
「ほら、あそこにある出店。売っている豆大福がすごい美味しいって評判なんだよ。知ってたか?」
「え!」
指をさして振り返った向居に、私は驚愕の表情で返した。
知らなかった…!
この寺でそんな出店が出ているなんて、どの情報ででも見つけられなかったわ…!
愕然となる私。
自他ともに認めるリサーチ力が泣くわ…。
と、ショックに茫然としている私をよそに、向居は楽しげに続ける。
「期間限定で出る店で、十年に一度、秘仏御開帳の時に合わせて出されるんだよ。その豆大福が美味くてな、幻の大福と言われているんだ」
「え? ひぶつご、かいちょう?」
なるほど、十年に一度しか出ないなら、私が知らないのも無理はない。うん、仕方がない―――って納得するのはいいが、聞き慣れない言葉に、向居の言ったことが半分しか理解できない私。
「大福餅セット、ふたつください」と出店の店員さんに注文しながら、向居が説明してくれた。